「袖道」/m.qyi
 

ど。そういうものが今の私(たち、あっ失礼しました!いや、ぼくだけ)の心で、その心
を一つの角度から細く深く鋭く突き入れたところに容子さんの詩があり、読むとなんとな
く不快感を感じさせる詩であり、たいへん美しい詩だと思います。



ひとつ、僕の観点を確認していただくために、紹介しましす:

「袖道」

振り袖の重く長い袖をひきずりながら
少しだけ急ぎ足で歩いていたの

ひたすらひたすら前だけを見て
長いかも短いかも分からない道を歩いていたの


一つ
ママの望みは叶わなかったわ
わたしね有名私立高校にはすべて落ちたの
自慢の娘になれる現実には間に合わ
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