鉱物としての彼ら/はらだまさる
目な訳ではないし、不透明だけど力強い鉱物でもあるターコイズが俺は好きだし、陽光を掬い取ったかのようなゴールデントパーズの美しさや、柘榴石の、血を宝石にしたような肉感、宇宙を結晶化し現前させたような黒御影とか、それぞれがそれぞれに美しい鉱物としての詩人が、この日本だけでもゴロゴロと転がっている。俺が詩に興味があるから鉱物を詩人に喩えたけれど、それはミュージシャンでも、パティシエでも、経営者でも、医者でも、教師でも、ジャーナリストでも、陶芸家でも、デザイナーでも、画家でも、貿易商でも、営業マンでも、映像作家でも、トラックの運転手でも、学生でも、宗教家でも、ニートでも、プログラマーでも、シェフでも、花屋
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