サクマ式ドロップスの思い出/快晴
る。そしてサクマ式ドロップスの缶を見るとあの映画を思い出すと同時に、私は自分の幼少時代のある出来事を思い出す。
あの映画のハイライトの一つのシーン(だと思う)で、妹が兄にあのドロップをねだるのだが、缶の中にはもう粉々になった飴の欠片しか残っていない。すると、兄はそのドロップの缶に水を入れてそれを振り、妹にその飴が溶けた水を差し出すのだ。妹はそれを嬉々として飲み干す。そんなシーンが幼少時代の私にはとても感動的だったのだろう(きっと今でも感動するが)。だからその映画を見た後、私は母にサクマ式ドロップスを買ってもらい、とにかく早く残量を少なくしようと、次から次へと飴を頬張っていった。そして缶の中身
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