「脳梗塞」/広川 孝治
ツケラレテマデ
イキテイタイトオモワナイ
わたしを殺して
殺して、お願い!」
声にならない叫びが
目から迸り出ることを強く望む
しかし
子供たちは言った
「家に連れて帰ります
お母さんと一緒に暮らしたいのです
世話の仕方を教えてください
看護の仕方を教えてください
自分たちでお母さんを世話します
これまで母が自分たちを世話してくれたように」
四人の子供たちは
懸命に学んだ
一番下の娘は
不器用ながら
わたしの体を上手に動かすようになった
長男は厳しい
わたしがどれほど嫌な目をしようとも
無理やりベッドに座らせ
リハ
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