いつか貴方とポエットを。/ユキムラ
 
多分あたしの事なんて、ちっとも考えて下さらない貴方。本当は一度だってあたしなんか見てはくれていない貴方…。それでも宜しいのです。只、お気の向いた時分にだけでも、あたしを必要としてくれるのならば。

悪い処が在れば直ちに改めます。だからどうか、要らないだなんて云わないでほしいのです。貴方の必要な時にだけ、あたしを使って下さい。それ以外は見向きもせずに放置しておいて下さって善いのです。それがあたしに与えられた、唯一の「生きている」証なのですから…。



【第二幕】


あたしはいつも貴方の云いなり。でも今日は初めて、あたしの意思で「赤いお洋服」を着てみたのです。貴方に気に入って戴け
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