散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
私が見たように
彼らも
私達を見ていた
宝石のような光が、海が、木と木の間から見え始める。海だ。私達
の愛する南の島の海だ。
「パシャーパシャー」と音と共に光っている。まばゆい光に溢れ返
ったビーチだ。
舗装された遊歩道を横切って二人海岸に手をつなぎ降りる。
私は彼女の手を意識的に放す。ここは彼女のリインカーネーショ
ンを超えて何度も繰り返す追憶の場所。ここで私は彼女の動きと空
と雲と海が一つになり自由に動くのを見守るつもりだ。麻理が海辺
にいる風景は私をある種、義務感へと駆り立てるのだ。この天国の
海辺と一人の娘。その全ての事を記憶し印象を心にとどめる。そ
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