散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
 
みしめ
 我ら
 あの
 さざ波へ
 溶け込む

「ほら波の音。」
後ろを歩む彼女から声がかかる。今日はこのあたりから波の音が
聞こえ始めた。今日のこのコンディションでの前浜公園の海で水
遊びだ。
「もう聞こえる?」
「耳澄ましてごらん。」
「本当だ、風がオンショアで巻いてる?」
「そうかも。」
「話変わるけど、ここから海岸まで何歩で行けるかわかる?」
「わかんないよ。」
「じゃあやってみる?たぶん52歩で出れるよ。」
「え?なんでそんなことわかるの?」
「何度もここに来てるから歩数を数えてた。ちなみに車止めから
海岸まで300歩ぐらいだよ。ここからだともう5
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