散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
 
では
人の踏みしめた道を通る。立ち枯れた木や倒木、それに苔がつきそ
の上を下草やシダが覆っている。大木が密集しているから太陽の光
もあまり届かない。このような暗くてうっそうとした場所がまだ残
っている。人が入る前、耕地にされる前のこの島の自然の名残のよ
うだ。まだこのような場所があるとつくづくと思う。僕達は紛れも
なく亜熱帯の島にいるのだと思う。はやる気分はもう十分に探検隊
だ。だがしかしこの暗さの中、鳥達や木々の力に、自然に対する畏
怖の念と共に今私達が自然に対してできることはないかと考えさせ
られる場所なのだ。あの美しい海や海岸線で時を過ごす前にこのよ
うな場所が用意されて
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