散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
ずれに
着いた。駐車するため細いわだちのある道に入る。道にせりだした
草で車のボディをサーと擦る音。でこぼこの道をアップダウンして
車を止める。
ここは亜熱帯の少なくなった手付かずのジャングル。海岸沿いに
細長く続くジャングル。サイドブレーキが引かれる音。そして二人
、いたずらぼうずのように顔を見合わせる。今日の探検の始まりだ。
着いたところはみんながちゅら島と呼ぶ沖縄、宮古の前浜公園。鳥
の声が遠くから近くからこだまし、僕達を包み込む。風は濃密でう
っそうとした木々を軽く揺らし通り抜けてゆく。耳を澄ませば風の
向きで渚の音が聞こえた。この駐車場から舗装された遊歩道までは
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