散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
 
い場所へ登り始める。まるであのサバンナにいる豹のよう
に居場所を決めると、顎を幹にもたれ、虚空を見つめる。神秘をた
たえた賢者の風貌の豹のように。あの定位置へとついた。居心地よ
さそうに木の上から微笑み、手招きしている。

 もう君は
 遠く 遠くを
見詰めている
二人の 遠い 遠い
思い出とともに

見詰めている
 風に 髪がなびき
 鳥が このように
 歌い始める
 まるで
 君の思いを知って
 それを賛美するかのように

 ああ君の短い
 髪を
 風が触れてゆく

 幹の上で休む
 二つの個体

 涼しげな時が
 過ぎてゆく

 やわ
[次のページ]
戻る   Point(2)