散文詩「パラダイス イン ミヤコ」/アハウ
たる音が聞こえてく
る、もうそこはこの立ち木のテリトリーだからだ。
「今日木登りする?」と僕。
「なんで?せっかく本持ってきたのに。」と不満そう。
「いや、今日風がいいから木の上は気持ちいいよ。」
「木の下でも十分気持ちいい風だよ。」
「本読みたい?」
「本は逃げないから・・・いいけどさ。」
「木の上で雲見て、何に見えるかっていうのやろ。」
「ちびの時やったやつ?」
「うん、今日の演習は想像力強化!」
「はいはい、わかった。」
「今日は豹になって木の上で!」
「おい、わがまま王子!木に登るぞ」
彼女はおてんばで運動神経が僕より優れている。みるみるうちに居
心地のいい場
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