ラムネ瓶の夢/三州生桑
敷地内にあり、錆びた、低い鉄柵で囲んである。
池の大きさは一坪ほどだらうか。濃緑色のドロリとした水が淀んでゐて、底は見えない。
ラムネなんて何年ぶりだらう?
今の子どもたちは、ラムネなんて飲んでるのかな。
缶切りで缶を開けられない子が増えてゐるといふから、ラムネの栓の抜き方を知らない子もゐるんだらうな。
飲み終へたラムネの空き瓶を、夕陽にかざす。
瓶の中のビー玉がカランと鳴る。
何ともノスタルジックな色と音だった。
いつの間にか、可愛らしい男の子が私を見てゐるのに気付く。
小学一年か・・・まだ年長さんかも知れない。
その子は、私が手にしてゐるラムネ瓶を、じっと見つめてゐ
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