削られる自意識と、楕円のうえでダンス/はらだまさる
を
力いっぱい踏み込んで、
夢へ、夢へと転がってゆくよ、
少年が。
人々の情熱や
毒に腫れた醜いのを
分解し、再生させる
スイカズラが生茂る森で、
オレンジや白の音符が
強い芳香を放つ。
眼を閉じて
両手でブレーキを握ると
世界は止まってしまうけれど、
空はいつまでも
終わらない
短編映画のままだ。
二十七時。
とてもゆっくり、さよなら、
さよなら、さよならと
乾燥させた積み藁を燃やして、
ピース。
神様と交信する。
天空に零れたミルクに
狼煙が真っ直ぐ伸びると
見たこともない黒の模様が
少年の全身に浮かび上
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