天上の国 鳥の文字/「ま」の字
ぬ古い風光 ひかるふしぎ
ひこうきはなおもじょうしょうし
遠ざかりゆく雲の国土の
遠ざかる間に
またも
雲の網の目がしづかにあらわれ
やがて再び 眼下にさびしい天上の国が
またひとつ
すがたをあらわすのだ
雲の上に雲
天の上に天
私は衰弱してしまって 思う
何度も 何度も繰り返される
この おそろしいうつくしさに たへられない
はやくその
とそつの天宮にひとり
追い放たれ
えいえんに さびしさに しびれたままのありさまで いたい
気持ちも手もしびれた男を乗せて
ゆめのようにしびれたまま
ひこうきは
むげんのじゃうしゃうをつづける
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