天上の国 鳥の文字/「ま」の字
 

 騒音は次第に遠のき
 ふうけいの遠方から かすかに 
 風 いやなにか吸引するがごときの
 美しい ノイズがきこえだす

(「Pain !
(「ひあ(here)!

意識が遠ざかるのか
心が夢を見るのか
飛行機にのって
とりもない天空の 記憶を記述していた
太古、ひとはとりから文字を
まなんだ 
ああ まなんだのだが 
そのとりのきもちをもって
文字を綴りゆくことの
きっととりの 
天宮をとびゆくような胸すくさびしさ

おお 天上の国 鳥の文字
懐かしく すべてに違和のある
この さびしい故宮にあって
凍てた身で 凍てた記憶を記述する

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