天上の国 鳥の文字/「ま」の字
 
風化し
すでに半ばとうめいな 
懐かしい夢で見た狂王のようなものに

いいや王は懐かしい 家族や 過去の人々の ありさまが
つぎつぎと 淡く 
雲の国に 立ちあがるをみる
湧くがごとき追憶の 
はかなく こころもとげなく
みにまとわり
その あるかなきかのぬくもりに浸りつつ
放逐の身は 世界の大気の冷却期に入(い)るを知れり
ああ
再生の未来を ゆめみ
自ら液体窒素中に降りて眠るひとのみるゆめに似ている
きこえるだろうか 声
うつつだろうか きこえるこのゆめは
耳欠け 鼻潰れ 白泥のごときひとの 
ゆめ 飛び去る わらうけはい 何(なに)とも知れぬ古
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