詩を描く、という個性/はらだまさる
ゥー教』クシティ・モーハン・セーン著:中川正生訳)}
インドの宗教詩人ラッジャブという人は、そのコトバの持つ呪物性に気が付いていた。記号化され得ないものを記号化するという、数学的な心理学上の性的倒錯、所謂「フェチ」が、我々の目のまえでフェロモンを振りまいて踊っている。ここに人間の持つひとつの本質を垣間見ることが出来るのではないのだろうか。パズル的に、もともと存在するものを再現前させるという意味においても、「記号化する」とは、プラトンの云うところの「イデア」(*1)という考え方に根ざしているのであり、それを無意識にしろ、意識的にしろ、誰もが必要としているのであると、謂わざるを得ないのではない
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