詩を描く、という個性/はらだまさる
 
ないだろうか。

(*1)註:「イデア」とは簡単に説明すると、人間が鳥を見て鳥だと感じるのは「鳥」というイデアが実存するからで、あなたと僕は違う存在だけれど、「人間」のイデアを共に分有しているということだ。観念論や実存論は、そのイデアの系譜として考えられる。


 そういった認識をふまえた上で、コトバで何を表現しているのかといえば、承知のようにそれは自己という「イデア」であるのだろう。「イデア」を表現するためのコトバなのである。ただ、「イデア」の創始者であるプラトンですら、「イデア」そのものを語りつくしてはいないという、パラドックスがそこには待っている。その「謎」そのものが、求心力
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