詩を描く、という個性/はらだまさる
 
意識することは、それほど重要ではない、と謂えるのではないのだろうか。生まれた瞬間から、個性というものを意識しなくても、全ての人間が個性的だ。「没個性」という発想も、当時のアメリカをはじめとする世界に対して、ウォーホルがおったてた中指だったのだろう(それはそれで巨大なナイフで世界を切りつけたようなものだったけれど)。そして、その個性を理解するうえで、最も使い易いものはまずコトバだ。いま日本語でこの文章がかいてあるように、世界中には今現在、五千とか七千とか云われるほど言語が存在しており、この日本語においてさえ、方言や世代によって異なる言語を介してコミュニケーションをとっている。そして、これもひとつの個
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