詩を描く、という個性/はらだまさる
いう点においては、同じである。
例えば中高生のリスト・カットなども、キズつくことで安心する、と云われるようにコトバで自己を確立しきれない、誰かに生かされているという社会的に弱い立場の、不明瞭で不確かで未成熟なアイデンティティの結果ではないのだろうかと推測出来る。彼らの感性が鈍っているのではなく、ある部分の感性が異常に敏感なのだ。いじめによる自殺問題も同じように、個性を重んじる社会的圧力を、青少年期に敏感に感じながら、その責任を問われない不確かな自己形成の途上で、長いものに巻かれるような集団心理が、いじめを惹き起こし、自殺を招いているという一面があるのも確かだろう。他者との断絶を、観念的に理解す
[次のページ]
戻る 編 削 Point(3)