詩を描く、という個性/はらだまさる
 
な砂漠の砂粒に陥らないように、必死に自己を磨き、孤独に打ち勝ち続け、ある人は唯一無二の刺青をその身体に刻むように、またある人はコツコツと巨大建築物のような論理的な思想を築き上げるように、その孤独が寂しいとか苦しいとか言うのは、心理的な倒錯である、とでも言わんばかりに、その個を際立たせようと必死だ。勿論、大多数の人が必死にならない、なれないという状況を知ったうえで、それはそれで社会の維持と発展に大きな役割を担う大変重要な仕事であるが、敢えてこの場では、個性を重要とは考えない、というスタンスで考えてみようと思う。これは個性を宝石のように重んじる世界に対する、僕がおったてた小さな中指である。
 まず個
[次のページ]
戻る   Point(3)