詩を描く、という個性/はらだまさる
いはずだ。それらは、自己愛と虚栄心の産物であり、そのために、とっかえひっかえ繰り返されるものでもあるだろう。
昨日の白が、明日には全く別の黒にすり替わる、何てことはよくあることで、どんな人にでも日常茶飯で起こり得ることではないのだろうか。そのように観念的な場所では、他者と自己の境界が希薄なので、その思想的、宗教的自己をコトバによって確立しなければ、精神的安穏の聖地に辿り着けない、という危うさの中で、コトバに依る表現者(即ち人間一般)は、特に哲学者や、思想家、宗教家、詩人と称される人々は、それこそ言葉通り、必死になって個性を確立しながら、世界から自らを切断しているのは明らかな事実である。凡庸な砂
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