愛の墓場/ロリータ℃。
 
型にはまった男たちとは違う、おおらかな心が好きだった。
 あの頃の私たちはとても自由で、孤独で、幸福だった。互いの体の境目すらも曖昧になり脳も肌も骨も内臓も意識さえもぐずぐずに溶けてしまうようなセックスをし、愛していると何度も何度も囁きあって、重みのあるその軽い言葉に私は耐え切れずいつも笑い、ふしだらで幸せでとりとめもない、たくさんの時間を一緒に過ごした。
 いつかは別れるかもしれないと思ったけれど、一緒にいる間はこの幸福な時間がずっと続くものだと思っていた。季節が変わるように、人も変わってゆくということを私は知らなかったから。持ってしまったものは、いつか失わなければならない。どんな形でも終末
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