愛の墓場/ロリータ℃。
終末はきちんと降りてくる。正しく、とても悲しい形で。
私が妊娠したときから、彼は徐々に変わっていった。定職につき、忙しくなった。帰りが深夜だったりすることもあったし、休みがない週もあった。家に仕事を持ち込んだりもしていた。親のコネで入った会社の中で、彼はいつかの出世を意識し始め、カメラのことも忘れていくようだった。そうさせてしまったのは、多分私だ。
大人になっても、私たちは大人のような真似はできないと思っていた。子供が生まれたら三人で、子供でも大人でもないそんな時間を過ごせると、私はそう思っていた。そんな私だったからこそ、彼は、大人になってしまったのだろう。
濃くいれたコー
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