海辺の町の/夕凪ここあ
 
私の町
海辺の港町
夢うつつに波音で目覚めて
窓を開ければ
かすかな潮の香り
胸いっぱいに深呼吸して
優しい海で満たして
一日が始まる

私の家
高台の一軒家
階段を下りると
小さなパン屋さん
パパとママが
焼いたパンを
朝食に食べる
サラダと、あったかいスープと
休みの日には
私も少し早起きして

それから
スコーンとクッキーを持って
坂道を下るお昼過ぎ
港まで続く道
一面の海が
光を反射して
ずっと向こうで
船が揺らめく
眩しい午後
港に着く頃には
もう波の向こうで

隣に住んでる男の子は
船の乗組員で
それは小さな船だったけ
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