偲ばれる日々への想い −追悼、いかりや長介−/
 
ちまったよ。
何言ってやがんだ、長さん。遅いよ、待ちくたびれたよ。


卵とちくわぶ 大根に、牛すじ
よく染みている、出汁の海から覗いた先
皆の顔が
じわじわ、じわ、と



バカヤロー!!
収まりきらない高ぶりで吠える、ブーの皺くちゃの顔
押し黙って堪えている、加藤、真っ赤に染まる鼻先
崩れ落ちる仲本、熱で曇った眼鏡
ひとり酒に浸って、夜空を見上げる志村の目頭
震える喉仏


想いの丈が、あまりにも熱気を帯びるものだから
湯気から思わず顔を放す

うーん、よく見えなかったけれど
あいつら、大丈夫かな、上手くやってるかな
そんな心配など、すぐに杞憂だ
[次のページ]
戻る   Point(11)