僕の六本の指/水町綜助
タイプする
昼下がりのオフィスで僕はタイプする
思考の変遷を変換して銀鱗として
この僕が座っているらしい聞くところによると青いらしい地球というものは
太陽からの十月秋の日射しをゆっくりとぐるぐる体に巻く
僕はキリストが生れることより1978年遅れて生まれたもの
星の青さも知らされず
我が身の指の数さえ知らされず
唐突にただ無意識の意志のみをなすり付けられ落とされたもの
何をさせたかったのかなど、またそんなものがあるのかないのかさえも当然教えられるわけはない
たぶんきっと
知らされず
教えられず
ということばも空気に恨み言を投げかけているようなものだ
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