僕の六本の指/水町綜助
 
のだろう

あたたかいみずのなかから唐突に開けた視界
そこから数年
少しずつ感知が始まり
あるとき唐突に瞬間に自分をしる
僕の場合磨りガラス越しに青空のヘリコプターを見たとき幼児の目で
そこから理解を進め
思考して
疑念を感じ
思考して
疲れ
また習慣に癒され
呼吸をする
食事を摂る
そして心地よい日常の眠りに沈みそうになるとき不意に
空は割れ
自分の指が六本に増える現実を想像する
違和感を覚える理由は見当たらない
もともとなにも知りはしなかったのだから

僕は六本の指でタイプして手紙を書くかもしれない
そして青いポストに投函するかもしれない

思考の変遷を
意識の不確定と再構築を
変換して
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