荒川洋治を読んでみる(七) 『楽章』/角田寿星
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ぼくも…持ってたよ、『中央アジア』。チェクナヴァリオン(イラン人!)指揮のナショナル・フィル。77年の録音だから…イスラム革命前か。交響曲2番と、当時は珍しい『イーゴリ公』の序曲も入ってる、嬉しいラインアップでした。ボロディンの曲はメロディラインがとにかく美しいんですが、『中央アジア』はどっちかっつーとポップな曲調に入るでしょうな。遠景を管楽器、近景を弦楽器で表現してて、和声はシンプルにしてる。ナショナルフィルの演奏だと、遠景がちとツラいように感じたな…詩からどんどん離れていっちゃった。
曲を聴きながら『楽章』を読むと、憂鬱さはほとんど感じない。偉大なる平板さ、というのかな、とにか
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