荒川洋治を読んでみる(七) 『楽章』/角田寿星
どが代表曲ですが、その名もド真ん中直球の『中央アジアの草原にて』という曲があります。
さて、『中央アジアの草原にて』の楽譜の扉には、つぎのような言葉が書かれていて、荒川もそれを踏襲して『楽章』を書いたようです。
「…見渡す限り広々と広がる中央アジアの平原を平和なロシア民謡が聞こえてくる。遠くから馬とらくだの足音に混じって、東洋風な旋律が響き渡る。そしてアジアの隊商がロシア兵に護衛されながら果てしない砂漠の道を、安全に進む。征服したもの、ロシア。征服されたもの、中央アジア…ロシアの歌とアジアの旋律が溶け合って、不思議なハーモニーを作る。そのこだまは次第に平原の空へ消えていく。」(一部改稿)
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