荒川洋治を読んでみる(七) 『楽章』/角田寿星
そんな文章がつながって素晴らしい詩になることは周知のことだし、その文が人を魅了してやまないことなんか、楽天イーグルスの勝利数よりずっと多い。ぼくなんか、この冒頭の一文だけで、この詩集を買ってよかったなあ、という気にさせられたもんなあ。
もうひとつ、この詩には重要なモチーフがあります。アレクサンドル・ボロディン。この人、サンクトペテルスブルグの人で、「ロシア五人組」で知られる作曲家であるとともに、医学者であり、化学者でもありました。なんかボロディン反応という術語も残ってるくらいだそうな。
「だったん人の踊り」などの『イーゴリ公』、第二楽章が「ノクターン」の愛称で知られる弦楽四重奏第二番などが
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