コスモス/keiji
を手渡してくれた。 中には、手編みの手袋が入っていた。
指に狸のシッポみたいなシマシマがあった。
クリスマスには、手編みのセーターを編んで、プレゼントし
てくれた。
そういえば、彼女は父親がセーターの上に味噌汁をこぼしたと言って、
公衆電話の中で泣きじゃくっていたことがあった。
真っ白で ゴツゴツ していて 着てみると少し大きかった。
彼女の気持ちがうれしかった。
付き合いはじめて一ヶ月ほどして、彼女の家に初めて行った。
僕は、煮魚の食事をご馳走になったり、
一緒にカセットテープレコーダーから流れる歌を聞いた
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