荒川洋治を読んでみる(一)『水駅』/角田寿星
って代わられたんでしょう。
…余談ですが、とある詩人さんから、『水駅』とは朝鮮地方のことばである、と教えていただいた記憶がありますが、残念ながら真偽の確認が取れないままでいます。もし御存知の方がいらしたら、御教示ねがいます。
当時流行してたともいえる、作者を含めた若者たちの左翼指向は、この詩では巧みに隠されているようです。とは言え、青野季吉はバリバリのプロレタリアート文学者だったわけですし、荒川の初期詩集における“旅先”は、旧ソ連領内の東欧、中央アジアから中国まで、モロに共産圏内を行ったり来たりしてるんですね。それは当時まだ誕生して間もない社会主義の、理想郷となる可能性を秘めた「稚(わか)
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