最終行まで/岡部淳太郎
 

憶えておくことが
大事なのだ

その子供は
僕たちの子供
僕たちがそれぞれに歩んできた
詩のような行が生み出した 子供

僕は
  (僕たちは)
ひとつずつ憶えては
思い出す

どんな雨が君を襲ったのか
どんな雨が君を消したのか

憶える
思い出す

忘れてしまっては
いけない
たとえ世界が無情にも
いままでと同じ顔で
ただ通り過ぎるだけだとしても
僕は
  (僕たちは)
憶える
思い出す

忘れてしまっては
いけない


?

世界をゆるすことができないのならば
自分をゆるしてみればいい

根源的な あ
という叫
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