生唾ライフ/カンチェルスキス
てる。体から発してると言ってもいいぐらいだ。おれは純情生唾男なので、生唾で我慢する。というか、生唾を人生のメインとして考えてる。実際に、誘われて草むらで何とかしちゃって警察沙汰、臭い飯、ということはしない。生唾でいいんだ。この前だってそうだ。信号待ってたら、ランドセルの女が(たぶん小学校5年生ぐらい)おれの顔を見上げて、「ポップミュージックなんてただのクソだ!」と吐き捨てた後、抱擁を求めてきた。そのときの潤んだ瞳ときたら、まるで中トロの脂身みたいだった。そこでおれはオロナミンCを飲むみたいにして、生唾をごくり。ああ、殿上人の気分。抱擁はしなかった。
生唾ライフ。
最近、お年寄りの女に色目を
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