深夜の鉄道/狩心
果てしなく続く夜の闇が僕を押し出す
重い荷物だけを持って少しだけ遠くへ行く
辺りは知らない人達でぎゅうぎゅう詰めになる
座席にもたれた背中にピンと張り詰める痛み
体をダンゴムシのように丸め込み 身を守った猫背の代償
目線は斜め下ばかりを見ていた
時折 頭を上げたとしても 迫り来る広告群が僕を不感症にさせる
唯一 僕が感じられるのは この揺れる振動のみ
歩み 時を刻み 心 定め 地を這う 眠れない夜
あの時から一瞬も経過していない 記憶の落とし穴
愛 示す 決別の町へ ゆっくりと入る
故郷を過ぎ去り 新しき土地をも脱ぎ去り 重厚な門は開かれた
現れるは 溢れんばかりの子供達
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