文学史的演説/ダーザイン
と「客体」の間の関係をさすものではないということだ。ここではもはや主客2項対立は問題にならない。「人間存在」にとって現に在るものとは、「関係性」そのものである。
ここに恐るべき造物主の意図が隠されていることに気付いたのが、我が祖国ロシアはネバ川のほとりにある爆裂電波研究所主任技師ワレンチン・スタニスラフであった。ニーチェによって高らかに神の死が告げられてこの方、人類は新たな神を呼び招くことも出来ず、足場を失った底無しの虚無の上に漂う関係性の中で生きることを余儀なくされているわけだが、ワレンチンは、この「神の死」すらも悪しき造物主の意図の中に折込済みであることに気付いたのであった。
近年の天文
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