さよならの儀式/狩心
前に現れた私の姿ではなく
その奥をじっと見つめていた
君の眼差しの中に色彩を感じた
君の眼差しは薄い紫色が段々と淡い橙色へと
グラデーションしていく優しさだった
語られていた
短い人生の中にある長い一時の中で
今にも朽ち果てそうな家と
それでもなお 家族を追い求める者と
そこで行われた儀式で
棺の中にそっと入れる
境界線の無い黄色が見える
つながっている
あなたが何処へ行こうとも
色彩は何処までも何処までも伸び 広がり
空を見上げても 大木に寄り添っても
空き缶を蹴り飛ばし カランカランと音が響いても
途方に暮れて 公園のベンチで肩を落と
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