波打ち際のホテルにて/bjorn
いつもみたいに
きっとまっすぐその目を見れないの
少しうつむいてしまうの
いっぱい瞬きをして
涙がこぼれないようにするの
サンダルを脱いで
打ち寄せる波に足をぬらして
二人砂浜を歩くの
月明かりの下で
潮風に髪をなぶらせて
ワンピースのすそを少し持ち上げて
足跡は波が消してしまうの
私たちがそこにいた証は
きっと何も残らない
あなたのこころの中に
何も残らないのと同じように
少し後ろを歩くあなたを
ときどき振り返ってみるの
あなたはあの
私のこころを少しざわつかせるまなざしで
私を眺めているの
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