目的地からの今の自分の距離。/腰抜け若鶏
 
かった。

僕が休まずペダルをこぎ続ける理由。
それはきっと僕が意地になっていたからだった。
子供じみた短絡的な感情に流されてのことだった。
けれど、そう言って笑い飛ばすのは嫌だった。それは卑怯な気がしたから。
自分が馬鹿みたいに意地になって決めたこと、それを守りたかった。

照りつける太陽と激しい運動は僕の体力を奪っていく。
でもそれ以上に僕を苦しめたのは、いくらペダルをこいでも前に進んでいる気がしない、そんな無力感だった。
僕は確かにペダルをこいでいる。
ひとこぎする度に僕の足には言い知れぬ疲労感と鈍い痛みが伝わってくる。
でも、目の前にあるのは全く同じ光景。
目的地
[次のページ]
戻る   Point(0)