目的地からの今の自分の距離。/腰抜け若鶏
的地の目印である背の高い給水塔さえ見えない。
僕はペダルをこぐ。息を切らしながら。風は流れてる。
確かに前に進んでる。
でも、まだ給水塔は見えない。
それどころか、それが見えるまでに僕は今まで走ってきた距離の倍以上の距離を、この自転車でいかなきゃいけないことを知っていた。
気の遠くなるような話だ。
一体何で僕はこんなにムキになってるんだっけ?
一体こんなことに何の意味があるって言うんだ?
どうしてだっけ?
何か守りたいものがあったんだ。
自分で決めた事は絶対やるって。これは自分に出来る事だから絶対やろうって。
でも一体それを誰が見てくれてる?
一体誰がそんなお前を誉
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