小説家の才能について考える。/腰抜け若鶏
小説とは一種の精神病にかかった人間達が作り出した、
同じ病気の人間のための娯楽であった。
そんな人間を小説家と呼んだ。
そんな特別な力を持った小説家に憧れた大多数の人間が小説を読むふりをする。
ちょうどプロ野球選手に憧れて、バッティング練習をするように。
小説家はその場にいながら世界中を旅できた。
歴史の目撃者になり、未知の世界を冒険し、
まったく違う人間になることもできた。
現代ではそんな小説家の喜びを誰でも簡単に享受できるように様々なツールが発達した。
よりリアルな映像技術に、より愛らしいアニメーション、より迫力のあるコンピューターグラフィク。
たかがドラマだな
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