全寮制耳毛へヴン/カンチェルスキス
は生きていけないんだ。そういう体質なんだ。いったい何人の人をオレは殺めてしまうんだろう。
ふと見ると、友の死に顔は笑ってるように見えた。日陰が日向に変わっていく瞬間のような笑顔だ。
「やっぱ、ウケてんじゃん、オレ」
友は元々そういうエビス顔だったのだ。すっかりそのことを忘れて、彼は自信を取り戻したかのように嬉しくなり、一仕事終えた気分になって、そうだ、温泉へ行こうと思い立ち、早速、夜行バスのチケットを買い、ターミナルのベンチに座ってバスを待った。そこで旅行鞄にトランクスをぎしぎしに詰めた厚手の赤いマフラーの女と運命的な出会いをする。
「‥‥‥あたし、パイロットファーム」
女のマシン
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