ビタミンヘラクレスナナメヨコ/カンチェルスキス
と各地のひなびた温泉地を逃亡して回る、そのうちに泊まった旅館の仲居E子とも肉体関係を持ち、そこにD子も加わり、単純なる3P、そして‥‥‥‥刑事長は長年の経験から犯人のこれからに思いを馳せた。口が半開きになっていた。勃起していた。「妻ともずいぶんごぶさただ。帰って一発やるか」ふとつぶやき、同時に安心してもいた。この事件の凶器が太巻きでよかった。太巻きで本当によかった。これが手巻き寿司だったらもう刑事の職を辞めるところだった。刑事長は娘の孫と過ごす手巻き曜日が唯一と言っていい最近の楽しみになっていた。これが手巻き寿司だったらオレは手巻き曜日のたびに殺人事件のことを思い出さなきゃならなくなる。刑事長は刑
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