尾崎君への手紙/ジム・プリマス
 
まっていたけれど
友達と一緒に酒を飲んでいた店で
雨の日の夜の街明かりに目を向けている時に
ふいに流れてきた曲が
「スクランブル・ロックン・ロール」だった
目を輝かせて半分諦めかけていた夢を語る
自分に後ろめたさを感じながら
それでも
胸の中が熱くなった
雑誌のインタビューの中で
君はビリー・ジョエルを最初に好きになったと言っていたよね
僕もビリー・ジョエルが好きだったから
何だか妙に親しみを覚えたことを
この詩を書いているあいだに思い出したよ
君は時には猛々しく
そして時には酷く繊細で
ふっとどこかに消えてしまいそうな
危なっか
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