今と昔の詩の優劣についての考察/美味
 
ください)
 これは持論なのですが、詩が与える感情とは振り子のようなものです。簡単に説明すると、大きいふり幅(感情)は大きいふり幅を生み、小さいふり幅は小さいふり幅を生む、ということです。全てがこれで説明できるわけではありませんが、概ね間違ってはいないでしょう。
 それと、詩には悲劇が含まれていなければ、読み手に深い感情は与えられません。人間は優劣を付けたがる生き物です。自然と相手に綻びを見つけて自分が優位に立とうとします。そうやって自己を保とうとします。つまるところ、同情したがりなのです。自分より辛い立場にある人を哀れんでは、自分が幸福であることを確認したがるのです。
 ここで、幸せそうな
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