「モハヤ・・・」/広川 孝治
のためのもの?
いずれにしても
それから一月もしないうち
もはや冬も終わる頃
あなたの机はなくなって
遠い海の果てへと旅立った
白い翼が無機質に
光り並ぶ空港で
あなたは僕を振り返り
腕を大きく振りました
その時頬をにきらめいた
光りの筋は涙ですか?
誰のために流していたの?
モハヤ、タズネルスベハナイ
ドイツ
ドイツ
繰り返し僕は呟いていた
いずれお金を貯めてから
あなたに逢いに行くつもり
僕はその日を思い見て
その時聴かせる曲作り
一生懸命励んでた
笑えることに無謀にも
ドイツ語講座も聞いていた
突然の訃報が舞い込んだのは
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