グレート・ノベンバー/長谷伸太
に、いたいのです。それに、隠れるところもないでしょ・・・」
「ああ、そ。オレ、帰るから。じゃ。」
太郎君はそう言うしかありませんでした。ノベンバーが本当に残っていたいということが、わかったからです。すこし寂しくなりました。
それから二日間、ノベンバーはずっとそこにいました。太郎君は放課後になると会いに行きました。一度家に帰るのも面倒くさいし、これでよかったのだと思うようになりました。ノベンバーはずっと動かず、笑ってすわっていました。何も食べていないはずなのに、さらに大きくなっていました。土で汚れてすこし茶色っぽくなったし、触ってみると、前はすべすべしたのに今は古くなったまんじゅうのように
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