グレート・ノベンバー/長谷伸太
 
へ行ってもノベンバーは太郎君をあまり手伝わず、空を眺めながら口あけっぱなしの笑顔で、ホーホーと言いながらお気に入りの杉の木の横にすわっていました。
 「おまえ、理科0点のくせに、そんなに自然が好きなのかよ」
 「・・・・・・しぜん・・・」
 「木とか、草とか、生き物とかだよ。」
いつもの会話です。少し太郎君はほっとしました。
 「ホホ、地球のことですなあー・・・」
 「違うって、地球の、自然のことだよ。木とか、生き物とか、人間がいない所とか」
 「人間のいないところが自然・・・。じゃあ、人間は生き物じゃないのです。」
 「生き物だけど、違うだろ、家とか。学校とか。自然じゃないだろ。
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