グレート・ノベンバー/長谷伸太
くりになってきたように思えました。でも、最初のような苦しそうな様子ではなく、さらに、穏やかに、楽しそうにわらっていました。風もなくよく晴れた日でした。作業もよく、はかどります。
「冬は嫌いだよ、すぐ夜になるから。見ろよ、右が夜で左が夕方だよ。」
まだ遊び始めたばかりのような気がするのに、さもつまらなそうに太郎君はいいました。
「右が、夜?左が、夕方・・・。あそこは、空ですよ・・・」
「全然ちがうじゃないか。見ればわかるだろう?ほら、右は、星が出てるよ」
ノベンバーは、さらに不思議そうに言いました。
「ぜんぶ同じ、一つの空が、ちがう…。じゃあ、空と、この空気、どこが違うだろう。
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